2025年6月に倉庫・工場の熱中症対策が義務化!法改正の全貌とは
- 「倉庫や工場の熱中症対策、何から手をつければいいのか…」
- 「2025年の法改正に、具体的にどう対応すれば法令違反にならないのか?」
- 「コストを抑えつつ、効果的な対策はないだろうか?」
このような課題をお持ちの経営者様・現場責任者様へ。
このページでは皆様が抱える疑問や不安を解消し、具体的な解決策を見つけるためのガイドです。
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2025年6月1日から、職場での熱中症対策は法律で「義務化」されます。
法改正の要点を押さえつつ、特に費用対効果の高い「ビニールブース」をはじめとした設備投資が、どれほど有用なのか解説します。
いかにして法令遵守とコスト削減、そして従業員の安全確保を両立させるか、正しい知識を身につけ、万全の準備を始めましょう。
なぜ今、熱中症対策が求められているのか?

近年、これほどまでに職場の熱中症対策が重要視されているのには、はっきりとした理由があります。
それは、熱中症による労働災害が年々増加しているという事実と、倉庫や工場がもつ特有の危険性です。
まず、厚生労働省のデータによると、2023年に職場で発生した熱中症による死傷者数は1,045人(速報値)にのぼり、過去5年間で最悪の数字を記録しました。
業種別に見ると、建設業に次いで多いのが、「製造業」です。これは、従業員一人ひとりの健康問題であると同時に、企業にとっては「安全配慮義務」に関わる重大な経営リスクとなります。
さらに、工場や倉庫は、熱中症が起こりやすい条件が揃っています。

広い屋根は直射日光で熱せられ、内部に熱がこもりやすい構造です。窓が少なく風通しが悪かったり、設備から出る熱がこもったりして、高温多湿な環境になりがちです。このような場所で、体を動かす作業を続ければ、汗が乾きにくく体温がどんどん上がってしまい、熱中症のリスクは格段に高まります。
職場における熱中症による死傷者数の推移(2019年~2023年)
年 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
死傷者数 | 829 | 959 | 561 | 827 | 1,045 |
死亡者数 | 25 | 22 | 20 | 30 | 28 |
※2023年の件数は2024年1月11日時点の速報値です。
2025年6月施行|改正労働安全衛生規則の要点まとめ

では、今回の法改正で、具体的に何をしなければならなくなるのでしょうか。
ポイントは大きく3つです。これまで「やったほうが良い」とされていたことが、明確な「会社の義務」になる点をしっかり押さえておきましょう。
- 報告体制の整備と周知
従業員が「なんだか体調がおかしい」と感じた時や、周りが「あの人、様子がおかしい」と気づいた時に、誰にどう報告するかというルールを事前に決め、全員に知らせておくことが義務になります。 - 症状悪化を防ぐ手順の整備と周知
実際に熱中症の症状が出た場合に、どう対応するかの手順書(マニュアル)を作成し、周知しておく必要があります。「すぐに涼しい場所で休ませる」「体を冷やす」「救急車を呼ぶ」といった具体的な対応や、緊急連絡先をまとめておくことが求められます。 - 対策が義務となる環境の基準
今回の義務化の対象となるのは、「WBGT値28℃以上または気温31℃以上の環境」です。WBGT(暑さ指数)は後ほど詳しく解説しますが、夏場の多くの工場・倉庫がこの基準を超えると考えられます。このような環境で、1時間以上または1日4時間以上作業する場合が対象です。
これらの義務を怠った場合、労働基準監督署から是正指導を受ける可能性があります。企業の信頼を守るためにも、確実な対応が必須となります。
(出典:厚生労働省「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」)
WBGT(暑さ指数)とは?現場での測定と注意ライン
法改正のキーワードとして出てきた「WBGT(暑さ指数)」。これは、熱中症の危険度を判断するための世界共通の指標です。単なる「気温」だけでなく、「湿度」や「日差し・地面からの熱(輻射熱)」も合わせて計算されるため、より人の体感に近い危険度を知ることができます。
なぜWBGTが重要かというと、同じ気温でも湿度が高いと、汗が蒸発しにくく体温が下がらないため、熱中症のリスクが跳ね上がるからです。WBGTを専用の測定器で正しく測り、現場の危険度を客観的な数字で把握することが、対策の第一歩となります。測定器は、作業員が普段いる場所の、床から0.5m~1.5mの高さに設置するのが基本です。
国が示すWBGTの危険度の目安は以下の通りです。
暑さ指数(WBGT)と生活活動の目安
暑さ指数 (WBGT) | 注意すべき生活活動の目安 | 注意事項 |
危険 (31以上) | すべての生活活動でおこる危険性 | 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 |
厳重警戒 (28以上31未満) | ある危険性 | 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 |
警戒 (25以上28未満) | 中等度以上の生活活動でおこる危険性 | 運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 |
注意 (25未満) | 強い生活活動でおこる危険性 | 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 |
日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」(2022)より改編
※ 日本生気象学会の承諾を得て、出典元の「WBGT」を「暑さ指数(WBGT)」とし、値を気温(単位は℃)と区別しやすいように、単位のない指数として表記しています。
今回の法改正では「WBGT28℃以上」が対策義務化のラインです。まずは自社の作業環境がこの基準を超えていないか、一度測定してみてはいかがでしょうか。
実際どう対策する?効果的な3つの設備ソリューション

「義務化は分かったけれど、具体的に何をすれば…」とお悩みの方も多いでしょう。水分補給や休憩はもちろん大切ですが、根本的な解決には、作業環境そのものを改善する設備投資が非常に効果的です。ここでは、私たちが得意とするビニールカーテン・シートの技術を活かした、3つのソリューションをご紹介します。
① ビニールブースで冷気を逃さない空間をつくる


広い工場や倉庫全体をエアコンで冷やすのは、コストがかかりすぎます。
そこでおすすめなのが、ビニールカーテンやパネルで作業場所や休憩所を囲う「ビニールブース」です。
必要な場所だけを間仕切りしてエアコンを使えば、冷気を逃さず効率的に涼しい空間が作れます。外が35℃でもブース内は26℃、といった事例もあり効果は抜群。大掛かりな工事不要で設置できる組み立て式の簡易ブースもあります。内部に業務用エアコンや家庭用エアコンの設置も可能で、電気工事までまとめて承ります。
② 高速シートシャッターで冷気を保ち、省エネを実現


工場や倉庫の出入口の金属製のシャッターは開閉が手間なので、稼働中は開けっ放しにしていることが多いのではないでしょうか? その環境では内部に強力なエアコンを設置しても冷気は外に漏れてしまい効率が悪く、電気代の無駄にも繋がります。軽量な「シートシャッター」なら電動で素早く開閉するため、空気の出入りを最小限に抑えられます。押ボタンやセンサーでの自動開閉など運用に合わせて選べるので、人、フォークリフトから大型車両まで、スムーズに出入りが可能です。また、連動して作動するエアカーテンも併設すれば、シャッター開放時は風のカーテンが空気の出入り、ホコリ・虫の侵入も防いでくれるので、さらに効果的です。
③ 建物に遮熱施工をする


工場や倉庫は建物自体の断熱・遮熱性が高くないことも少なくありません。よくある金属製の折板屋根などは、夏の直射日光により80℃以上に熱せられてしまうこともあるそうです。そこで、折板屋根の上に遮熱シートを設置する対策法も普及し始めています。遮熱シート表面で太陽熱を反射することで、折板屋根とシートの隙間に空気の層もでき、建物全体の温度上昇を抑える効果があります。また、建物内部の天井や壁に遮熱シートを設置するのも効果的です。外部からの放射熱を防ぎ、空調効率もアップします。
コストはどれくらい?補助金・税制優遇で負担を軽減
設備を導入するとなると、やはり気になるのがコストです。ご安心ください。国も、企業の省エネや労働環境改善のための投資を、補助金や税金の優遇制度で後押ししています。熱中症対策の設備導入に使える、代表的な3つの制度をご紹介します。
- 中小企業等経営強化税制
中小企業が対象の設備投資を行った場合に、税金の負担を軽くできる制度です。高効率エアコンや高速シートシャッターなどが対象になる可能性があります。「設備にかかった費用を全額その年の経費にできる(即時償却)」か、「設備費用の7%または10%を法人税から直接引ける(税額控除)」かを選べ、会社の経営に大きく貢献します。 - 省エネルギー投資促進支援事業費補助金(省エネ補助金)
古い設備を、省エネ性能の高い新しい設備に入れ替える際に、費用の一部を国が補助してくれる制度です。例えば「設備費の1/3を補助(上限あり)」といった形で募集されます。最新の業務用エアコンへの入れ替えなどが対象です。申請期間が決まっているので、専門家と相談しながら早めに準備するのが成功のコツです。 - エイジフレンドリー補助金
高年齢労働者(60歳以上)の労働災害防止のための設備改善や、専門家による指導を受けるための経費の一部が対象となる補助金です。職場環境改善に熱中症予防対策も含まれ、スポットクーラーやビニールブースの導入費用の1/2(上限額100万円)が補助されます。申請受付期間は令和7年10月31日まで(早期受付終了あり)なので、お早めに条件をご確認ください。
これらの制度を上手に使えば、コストを抑えながら最新の設備を導入することが可能です。
まとめ|法令対応と作業環境の改善を両立するなら、今がチャンス!
2025年6月から始まる、熱中症対策の義務化。これは、ただの規制強化ではありません。これまで後回しになりがちだった労働環境を、国の支援も受けながら見直す絶好の「チャンス」です。
WBGT値という数字で管理が求められる以上、付け焼き刃の対策では対応しきれなくなります。ビニールブースや高速シートシャッターといった設備は、法改正の基準をクリアするだけでなく、従業員の安全と健康を守り、生産性を上げ、光熱費まで削減できる、まさに一石三鳥の解決策です。
補助金や税制優遇が使える今こそ、対策を始めるベストタイミングです。何から手をつければいいか分からない、うちの工場にはどんな対策が合うの?など、どんなことでも構いません。ビニールカーテン・シートのプロとして、お客様の状況に合わせた最適なプランをご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。